zabadak 36th神戸を観て、グッズの「夏秋冬春2022」を聴いて、これは東京のフルバンド公演も観なければと思いました。観ないときっと後悔する。
万障繰り合わせてとはこのことで、会議をぶっちし、講義の準備は早めに終わらせ、来週の国際会議の準備は週末に回して、東京に行きましたよ(まだ帰ってないけど)。
吉祥寺のRock Joint GBは大きくない箱で、僕が着いた時にはもうぎっちりでした。こんだけぎっちりのライブは久しぶりだ。もうちょっとコロナが増えてたら、できなかったかもだね。ライブ・パフォーマーには辛い時期だ。zabadak 36thが開催できてよかった。
もっとも、まったく平穏無事ではなくて、直前に山下達郎が新型コロナ感染というニュースが流れ、難波さんは大丈夫かなと思ってたら、難波さんではなく鬼怒さんが感染で不参加というお知らせがありました。最近のzabadakで鬼怒さんのギターは要なので、どうなるかと思ったものの決行。二年前には難波さん欠場で決行されたから、もはや小峰さん欠場以外では中止にならないのだと思う。大丈夫。吉良さん永久欠場を乗り切ってるのだから、大丈夫だ。
配信ありのライブはオンタイムで始まりますね。鬼怒さん抜きで「夏」という驚きのスタートでしたが、ゆり子さんと難波さんでギターパートをカバーして、熱い演奏が展開されました。これなら大丈夫だと確信させる一曲め。これで成功は約束されたようなものだ。
セットリストはそのうち公式サイトに上がるでしょう。前半は長尺インストが並ぶプログレ度高めの選曲。Kimellaのキーボードソロに難波さんがPFM "E Festa"を入れたのは聞き逃さなかったよ。歌ものでは「天使の匂い」が相当にレアかと思いました。かなり攻めたセットリストです。
もうどの曲が前半でどの曲が後半だったか思い出せないのだけど、雰囲気的には前半がプログレで後半がハードロックですかね。後半の後半は手拍子がはいる曲が続き、本編締めは大盛り上がりの「ブリザードミュージック」。ソロ回しのところでは青木さんがリードギターを弾いたのですが、オールドロック・フィールに溢れたソロでとてもよかった。鬼怒さんのはモダンなソロだと思うんですよ。たしか、「ひと」のツアーは青木さんがリードギターだった気がします。
歌ものでは、「旅の途中」が素晴らしかった。「五つの橋」も小峰バージョンで演奏されるようになってから最高の演奏だったと思います。「僕のビー玉」とか「天使の匂い」とか"Fake"とか、わりと主張のある曲が選曲されていたので、このまま「冷たい夜に」もあるかと思ったけど、それはなかった。この歌もいつかセットリストに入るといいじゃないかと思います。
アンコールが「遠い音楽」"Easy Going"ときて、終わりかと思ったらさらに「相馬二遍返し」と大サービスで、大満足のうちにライブは幕を閉じました。
やっぱり、あの状況で31thをやったのが大きかったと思うんですよ。悲壮感は相当あったけれども、あれがあったから続いているのでしょう。今回は31th以降で最高のライブでした。配信アーカイブがあるので、みんな観てくれるといいな。
今のzabadakはとてもいいですよ。とてもいいです。吉良さんを失ったzabadakが活動を止めずにここまで来られたのはほんとに素晴らしい。欠落と創造、喪失と再生。ユーロロックプレスとプレイヤーとレコードコレクターズはzabadakのインタビューを掲載するべき。
37thは春にキネマ倶楽部でやるそうです。今回よりさらにパワーアップしたライブを期待しています。