2022年08月15日

ぐっと来るほうがいいのかもしれないと反省して変拍子

1年半休んだandmo'の活動をぼちぼちと再開しています。まずはリハですが、リハーサルというよりはリハビリの感じ。
1年半も休めば新曲が10曲くらいできててもいいはずですね。全然だけど。ようやく一曲作りました。

ここしばらくは意図的に無機質な曲を作ってたんですよ。「1972」っていう曲が例外で、あれは結構ぐっとくるメロディの曲です。名曲です。11拍子だけど。で、「1972」を聴いて考えたわけです。無機質な曲より、ぐっとくる曲のほうがお客さんに優しいのではないか。心を入れ替えて、ちゃんとしたメロディの曲を作るか。ただし変拍子。

で、まあがんばって作ったのがフォークロック・テイストの曲でした。変拍子だけど。リハに持っていったら、児嶋さんがリハーモナイズっていうんですかね、コードを変えようとするわけです。その理屈が実は僕にはよく分からない。「コードとしての機能は同じ」っていうんですが、機能が同じでも響きは違うじゃん。

このあたりが、ロックしか聴いてない僕と音楽理論を知ってる児嶋さんの違いなんですが、結論からいうと、リハーモナイズみたいなのがうまくいくこともあればうまくいかないこともあるわけです。非常に乱暴にいうと、コードをいじりすぎると浮遊感が出過ぎてメロディラインが失われてしまい、「ぐっとこない」。ジャズ的なメロディはいいんでしょうが、フォークロックはね、シンプルなコードのほうがぐっとくるというのが僕の感覚です。いや、シンプルってもさ、変則チューニングだから、そんなに単純ではないんですよ。

結局、一部は改変案を取り入れて一部はオリジナルのコードに近い感じに落ち着きました。名曲です。まだ完成してないけど。

ライブは10/21に東京、11/6に神戸を予定しています。後日告知するので、ぜひ予定しておいてください。それまでにもう一曲作りたいところですが。
posted by きくちまこと at 13:07| Comment(0) | 音楽

「日本SF作家クラブの小さな小説コンテスト」結果発表

僕の作品が最終選考に残っていた「第二回日本SF作家クラブの小さな小説コンテスト」の最終選考結果が発表されました。僕の『春分の月』は残念ながら入選しませんでした。
最終選考に残った時点で期待しなかったと言えば嘘になるので、落ちると悔しいですね。最終候補作は全部読みましたが、バラエティに富みすぎていて、比較は難しいところです。群を抜いてすごい作品というのはなく、接戦だったのではないでしょうか。最後は審査員との相性でしょう。

逆に言うと、自分の作品もずば抜けてはいなかったわけで、そこが問題ですね。このコンテストのすごいところは一次選考通過作のすべてにコメントが返ってくることです。これは大変な労力ですが、ありがたいことです。僕の三作へのコメントもいただいています。興味のあるかたはお読みください。僕の作品は淡々としすぎてるのかもしれません。でも、淡々と書くほうがすきなんだよね。

『春分の月』は今回の課題にがっつり寄せて書いたので、ほかのコンテストに回すのは難しいかなあとも思いますが、1万字に詰め込みすぎた感はあり、改稿はしたいと考えています。『あたしはまだここにいる』のほうがテクニカルですし、完成度も高いので、改稿して創元SF短編賞に出すつもりです。『春分』は最後のイメージが大きいから、創元が好きそうではある。考えます。

今年はあと星新一賞に出すつもりです。作品は半分くらい書けてますが、現状では解決すべき大きな問題がひとつ残っています。
posted by きくちまこと at 12:33| Comment(0) | SF

2022年08月06日

CCP2022

本業は物理学者なので、人より遅くかつ少なめとはいえ物理の研究をしています。すごくアクティブではないけど、研究はコンスタントに続けてるというレベル。たまに小ヒットくらいの論文を書きます。
研究結果は論文にするのですが、それ以外に国際会議で発表するという道があり、論文を見逃してる人に研究を知ってもらういい機会です。僕はそんなに精力的に国際会議に出てるわけじゃないけど、たまに発表します。

さて、8/1-4の四日間、CCP2022という国際会議が開かれました。これはIUPAP(純粋及び応用物理国際連合)の計算物理部門のフラッグシップ会議で、毎年開かれています。僕は数年前にパリの会議に参加しました。IUPAPの会議にしてはものすごく大規模でもないのですが、まあそこそこな会議かな。計算物理っていう大きな括りなので、難しいとは思うんですよ。中身は格子QCDからタンパク質のシミュレーションまで幅広すぎて掴みどころのない会議ではあります。

今年はテキサスだったのですが、Covid-19禍を受けて完全オンラインになり、なんと参加費も無料になりました。無料はヤバい気がしたんですけどね。

CCP2023が神戸開催の予定ということもあり、日本の計算物理のMLでは「日本からもたくさん講演を申し込んでください」というお触れが回ってきました。僕は素直なので、じゃあ出すかと思って申し込んだわけです。タイトルは『変異に対する頑健性の研究へのマルチカノニカル法の応用』みたいな感じ。生物物理に出すか複雑系に出すか迷って、生物物理に出しました。ソフトマターと一緒だから、悪い予感はあったんですが。

プログラムが発表されての感想は「発表が少ない!」でした。パラレルセッション四つで四日間なので、この手の会議としては相当少ない。ポスターも40件くらいしかない。そして、巨大分野のはずの格子QCDがほぼいない。格子QCDの独立したセッションが作れてないのは、計算物理の会議として致命的です。それから、「日本人がいないじゃん」なんですが、いやもちろんいるんだけど、MLで動員をかけられたにしてはめちゃ少ない。動員をかけたみなさんは申し込んだのか?

そして、テキサス時間で朝から夕方までの開催なので、日本では夜11始まりです。自分の発表は朝4:30。この時点でキャンセルも頭をよぎりましたが、発表することに意義があると思って頑張ることにしました。

さて、会議開始。オープニングアドレスを聴いて、プレナリー講演をふたつ聴きましたが、聴衆が少ない!100人いなかったんじゃないかな。その時点で眠くなったのでリタイア。

二日目が自分の発表です。夜11からのプレナリーを聴いたところで眠気に耐えられず、目覚ましをかけて仮眠しました。目覚めて、自分の前のセッションから参加。自分のセッションが始まってみると、参加者11人ですよ。そのうち僕を入れて7人がスピーカーでひとりが座長です。あと、たぶんスタッフも入ってただろうから、聴衆はふたり?

僕の前はみんなソフトマターで、生物物理の人はおらず。講演じたいはつまらなくはないんですが、会議そのものがなんともしょぼい。僕の番ではさらに参加者がひとり減って10人。まあ、ちゃんと発表練習も繰り返して臨んだので、発表自体はそこそこきちんとできたと思います。しかし、興味を持ってくれる聴衆はおらんよなあ。このセッションの座長は座長質問を放棄しているので(それ自体は悪いと思いません)、聴衆から質問がなければ終わりです。案の定、質問はなく、そのまま終了。僕はそのまま布団に潜り込んで寝てしまいました。僕の真裏で阿久津典子さんが発表してたけど、どうだったのかな。

それでも僕のセッションは予定されたスピーカーが全員いて、お義理にでも聴いてくれただけましだったようです。どうやら、スピーカーが続々キャンセルしてしまい、成立しなかったセッションもあったようですね。諏訪さんがそれで講演できなかったっぽい。あらあら。

というわけで、国際会議で発表したという形式的な実績を積んだ以外にはなんのメリットもない講演となりました。失意の僕はその後の二日間を聴かなかったのですが、たぶんそういう人が多かったと思われます。

疑問:「日本からもたくさん申し込んでください」とお触れを回した人たちは申し込んだのか?いまだに謎。

来年は神戸だから参加するとは思いますが、メリットがあるかは疑問ですね。どうせなら、またパリがいいなあ
posted by きくちまこと at 13:51| Comment(0) | 物理