2022年07月04日

「日本SF作家クラブの小さな小説コンテスト」一次選考発表

https://sfwj.fanbox.cc/posts/3970177
三作応募していた掲題のコンテスト、今朝一次選考の結果が発表されました。三作とも無事に一次を通過しました。うれしい。

いや、『春分の月』『あたしはまだここにいる』の二作については、「一次も通らないようなら審査員が悪い」くらいの気でいたので、驚いてはいないんですよ。落ちてたらむしろ驚く。でも、とにかくよかった。

もう一作の『そうして人類は永遠の眠りについたなの!!』は一時間で書いたおふざけ作品だし、あらすじがレギュレーション違反ぎりぎりな感じなので、難しいかなと思ってたのですが、拾っていただけたようでうれしい。

その一方、他の応募者の作品で僕がこれは相当いいところまでいくだろうと考えていたものが何作も一次を通ってなくて、やはりコンテストは難しいものだなあと感じました。一次はそれほど審査員の好みが反映されないだろうと思っていたのですけど、やはり審査員運の要素は小さくないか。

さて、二次の結果発表は月末です。僕の予想としては、二次には審査員の好みが相当に反映されるので、審査員運は一次よりさらに大きいでしょう。僕の作品は「間違ってない科学用語を拡大解釈して読者を煙に巻く」タイプのハードSFだから、審査員によっては怒られたり、分からんと言われたりしそうです。読者狭いかもね。

また月末までそわそわの日々が続きます。通るといいなあ
posted by きくちまこと at 11:48| Comment(0) | SF

zabadak 36th 神戸と「夏秋冬春2022」

zabadak 36周年のライブは東京と神戸で別メンバー・別セットリストで行われるということで、そりゃあ大変なんですが、7/2に神戸に行ってきました。

小峰・青木・楠・鬼怒というトリオ+鬼怒の編成なのでしっとり系かと思ったら、そうでもなく、青木さんがベースを持つとレッド・ツェッペリンの編成なので、意外にハードな演奏でした。前半は「秋」がハイライト。長尺のインストをこの編成でやるのかという感じですが、アコーディオンが大活躍でよかった。これは名曲です。三曲めくらいで小峰さんの声が出づらくなるというアクシデントがあったものの、MCで言われるまで気づかず、その後ウィスパーで歌った前半最後の「小さい宇宙」が実はよかった。

休憩の間に復調して、後半は無事行われ、盛り上がる曲が続いて楽しくおわりました。「夢を見る方法」を出だしから男女ヴォーカルにしたのは新機軸か。アンコールはもはや定番の「五つの橋」に最後は「遠い音楽」。上野作品の「五つの橋」がセットリストの定番になったのはとてもいいことだと思います。「遠い音楽」は泣く子も黙る名曲。楽しいライブでした。生はいいよ。

さて、今回のライブの目玉はグッズ付きチケットで貰えるばりばりの新譜フルCD「夏秋冬春2022」ですよ。なんと待ちに待ったzabadakの新譜です。

吉良さんがほぼひとりで完成させた組曲「夏秋冬春」を今のzabadakのライブメンバーでリメイクしたもの。リメイクといっても吉良さんのギターとベースと声は大部分残してあり、打ち込みだったところを生音と差し替えたり、たぶん構成を変えてるところもあると思いますが、とにかく現行のライブメンバーと吉良さんが共演する形で作られた作品です。

傑作です。素晴らしいです。圧倒的な躍動感と祝祭感、そして何よりまごうことなきzabadak感。吉良さんの音楽です。前のバージョンを持ってる人もこれはぜひ聴くべき。全くの新譜と考えていいです。

マイク・オールドフィールドに影響を受けたミュージシャンはたくさんいますが、日本のマイクといえば誰を置いても吉良知彦でしょう。もともとの「夏秋冬春」はマイク風の長尺組曲でありながら、日本風味を絶妙に入れたオリジナリティの高い作品でした。今回の新盤はそれに難波弘之・鬼怒無月・向島ゆり子・楠均・青木孝明・内田ken太郎そしてもちろん小峰公子という強者たちが音を加えていったもの。プログレです。がっつりプログレですが、聴きやすく、祝祭的に盛り上がります。ムゼアあたりから出せば世界と戦えると思いますよ。

ぜひ聴いてください。

とんでもない傑作。いずれ一般発売されるはずですが、今ならグッズつき配信チケットが早く手に入ってお得です。

ライブが明けて翌7/3は吉良さんの7回忌です。あれから6年経ちました。あの日も今年と同じく日曜日でした。
posted by きくちまこと at 00:40| Comment(0) | 音楽