2022年06月18日

zabadak 30th

zabadak 30th のDVDをほんとに久しぶりに観ました。届いてすぐに観て、それ以来そのままにしてあったものです。
一日目を先週だか先々週だかに観て、今日は二日目を。これは吉良さんの最後の映像作品です。

一日目は幕開けから「夏秋冬春」アルバム全曲演奏という思い切ったプログラムで、いきなりアルバム1枚分のインストですよ。この日はリクエストに基づいて曲を決めたようで、長尺のインストから珍しい曲まで。今観ると、吉良さんに疲れは感じるものの、アンコールの「遠い音楽」までとてもいい演奏が続く名盤です。プログレ、特にマイク・オールドフィールド系が好きなかたにはお勧めしたいところ。

二日目は「遠い音楽」の別アレンジに始まり、斎藤ネコ・カルテットによる「桜」。これがよい。元々名曲ですが、ストリング・カルテットでの演奏はとてもよいです。これはきちんとスコアを出すべきじゃないかな。一部はネコカルをバックに数曲。それから日比谷カタンさんによるzabadakメドレーを挟んで、問題の第三部。事情を知らないかたのために書くと、この前に吉良さんが倒れて病院に運ばれたのですね。それでも、ゲストが次々と出てきてzabadakの歌を歌うという趣向の第三部は決行されました。清浦夏実さん本人による「旅の途中」や杉林恭雄さんが歌う"Harvest Rain"など見どころは多く、演奏はいつもの強力メンバーだし(アコギの不在感は如何ともしがたいとしても)、ある種の熱気とともに進むステージは感動します。吉良さん不在のため崩壊といえば崩壊だった原マスミさんの「小さい宇宙」ですら、原さんの天才ぶりに打たれます。最後は小峰さん渾身の「相馬二遍返し」。

この二日目後半は普通のレーベルならリリースしないと思うんですが、吉良さんも出したかったとのことで、出してくれてほんとうによかった。二日目第一部まではどなたにでもお勧めできます。名盤です。二日目第三部はファン向けですが、貴重な記録として。

僕はこのライブを観ていません。学会と重なっちゃって行けなかったんですが、学会なんか行ってる場合じゃなかった。今も痛恨です。二日目に何かが起きたことはツイッターで知りました。

この後、6月にチキンジョージでzabadakを観ましたが、小編成ながらものすごい演奏だったことを覚えています。あの日の音源が残っていればいいのに。吉良さんと会ったのはその日が最後だったはずです。

7月にzabadak 36thがあります。グッズ付きチケットのグッズは「夏秋冬春2022」ということで、主にこの日のメンバーによる「夏秋冬春」の再録音(吉良さんの録音は残しつつ)版です。



posted by きくちまこと at 20:49| Comment(0) | 音楽